京野正午

贄(20句)

2026年8月1日

風速をペネロペと企てている

螺子、というZ世代の空気感

空色の彫刻刀は 彫れない

ソプラノを捩るアルトを捩り切る

欧米かトゥールビヨンの末裔か

かごめかごめを8倍速で繰り返す

警察にしては長めのパニエ丈

花うがい 天国は存在しない

音沙汰も喜寿もないから帰ったの

小道具の電話が月につながった

緊急で童心を回しています

キャラメルの匂いの漢字廃止論

映画泥棒(まず光から奪う)

鮎柄の制服だから許された

ひととおり謝辞を述べつつ小灰蝶

宇宙大学には砒素の雪ばかり

恋人と元恋人の二人羽織

代償は薄桃のニュアンスネイル

選手より審判の数が少ない

名刀の鍔にもきみの名の癖字